数年前から芍薬という花がとても好きになってしまい、毎年シーズンになると花屋で買うのを楽しみにしています。
大好きな青山フラワーマーケットで、店頭に並ぶとドキドキしながら選んでいたのですが。
最近、高すぎる~。
なにしろ1輪で660円也ですよ。
それだけの価値はあるのかもしれない。
豪華な花だし、品質に気をつけているのも伝わってきます。
でもなぁーとウジウジして、今年はJAで10本まとめ買いしてお友だちと分け合う!というのをやってみました。
色はミックスでお任せ。
あと面白いのが、5月15日「以降に」発送となっていて、それがいつなのかハッキリしないんです。
もうね、この時点で不確定要素が2つ。
それでも最初は「15日以降」って言っても15日ぴったりだったりするんじゃないかと勝手に想像してました。
でも本当に、それから2日くらいは何の音沙汰もなく、よりによって珍しく夜に出かけるバタバタな日に届くスケジュールに。
届いてみたら10本入りの割に箱が小さくて、あれぇ?と戸惑いました。
でも開けてみたら本当に10本入っていて。
でもミックスと書いてあったのに、パッと見では全部同じ色の蕾に見えて、お友だちにも「ミックスじゃなかった、ごめーん」と謝ったりしました。
ところがところが。
それぞれの家で蕾が開いてみると、ちゃんと違う色!
ともかく予想を裏切る裏切る。
朝まで完全に蕾だったのが、その日のうちにはパァっと開くなど、他にも驚くことばかりでした。
芍薬は、咲けば人が一人そこにいるのかとハッとしてしまうほど、存在感のある花です。
その一方で蕾の状態で買い求めると、たまーに開かないことがあるんですよね。
今回も硬く閉じた蕾が混じっていたのでハラハラしました。
結局すべて開いたのでよかったのですが、実はその後ちょっぴりショックなことが起こりました。
花びらが萎れ気味なのが気になったので、茎が長すぎるのがいけないんだと思い、短めに切ったのです。
それが嫌だったのかな…。
2輪の白い芍薬のうち1輪の花びらが9割方、ハラハラッといっぺんに散ってしまったのですー。
その急激さというか、潔さというか。
それまでずっと、やれ蕾が開いたの、こんなに咲いたのと写真を撮りまくっていましたが、花びらを散らした姿は、何だか撮ることができませんでした。
痛切に感じたのは、花といえども、他者の命を自由にすることはできない。
いや、自分の命だってそうです。
もののけ姫に出てくるシシ神様は、命を司る神。
シシ神様は命を蘇らせることもできるし、逆に息を吹きかけて植物を枯らすこともできるのです。
枯れることが悪いわけではない。
私には芍薬が、意思を持って花びらを落としたように思えました。
植物から学ぶことって本当にたくさんあります。
その中でも芍薬からは、特に心の深いところに届く気づきをもらっているような気がします。